今回は建設業界の平均年収と年収ランキングをまとめました。
同じ建設業界でも事業内容や規模が多岐にわたり、年収に差が大きく生じます。今回はランキングと共にその傾向を簡単にまとめました。
データソースは上場している建設業界168社の有価証券報告書です(企業価値検索サービス Ullet(ユーレット)を使用)。有価証券報告書で公開されている各社の2019年度or2020年度の各社平均年収を基にしています。
建設業界の平均年収
まずは建設業界の全体平均(※)です。下記のようになりました
分類(東証の業種区分に準ずる) |
平均年収 |
平均年齢 |
建設業界全体 |
701万円 |
42,9歳 |
(参考)上場企業3,774社全体 |
614万円 |
38歳 |
【コメント】
- 建設業界全体では平均701万円と、上場企業全体の平均と比較して86万円も高い結果となりました。
- 平均年齢も上場企業全体平均より少し高いようです
建設業界の年収ランキング上位10社
続けて、年収ランキングTOP10です。
順位 |
社名 |
業種 |
平均年収 |
1位 |
ショーボンドホールディングス |
建設業 |
1363万円 |
2位 |
鹿島建設 |
建設業 |
1138万円 |
3位 |
大林組 |
建設業 |
1051万円 |
4位 |
大成建設 |
建設業 |
1050万円 |
5位 |
清水建設 |
建設業 |
1009万円 |
6位 |
OSJBホールディングス |
建設業 |
997万円 |
7位 |
奥村組 |
建設業 |
985万円 |
8位 |
朝日工業社 |
建設業 |
980万円 |
9位 |
明豊ファシリティワークス |
建設業 |
963万円 |
10位 |
日揮ホールディングス |
建設業 |
956万円 |
【コメント】
- トップ10の中で半数の企業は、全社年収1000万円以上を超えました。
- トップ10の1位はショーボンドホールディングスで年収1300万円を超え、2位以下と200万円以上と大きく差がついています。トップ1位のショーボンドホールディングスは、建設業としては後発で、元は工事施工一般の事業から始まり、様々な建設関連の事業を展開している企業です。
- 年収1000万円を超える企業は、ショーボンドホールディングス以外は『スーパーゼネコン』と呼ばれ単独売上高が1兆円(2019年度)を超える歴史が古く規模が大きい企業で、超高層ビルなど高額な建設に携わっています。
- トップ10の企業はいずれも平均年収900万円を超え、業界平均を200万円以上を上回る金額となっていました。
建設業界の年収ランキング11位~30位
続けて、年収ランキング11位~30位です。
順位 |
社名 |
業種 |
平均年収 |
11位 |
ダイダン |
建設業 |
950万円 |
12位 |
東急建設 |
建設業 |
934万円 |
13位 |
長谷工コーポレーション |
建設業 |
933万円 |
14位 |
大気社 |
建設業 |
926万円 |
15位 |
戸田建設 |
建設業 |
914万円 |
16位 |
大本組 |
建設業 |
909万円 |
17位 |
大和ハウス工業 |
建設業 |
907万円 |
18位 |
前田建設工業 |
建設業 |
906万円 |
19位 |
千代田化工建設 |
建設業 |
894万円 |
20位 |
大東建託 |
建設業 |
869万円 |
21位 |
淺沼組 |
建設業 |
864万円 |
22位 |
鉄建建設 |
建設業 |
860万円 |
23位 |
住友林業 |
建設業 |
858万円 |
24位 |
森組 |
建設業 |
858万円 |
25位 |
きんでん |
建設業 |
856万円 |
26位 |
東鉄工業 |
建設業 |
853万円 |
27位 |
新日本空調 |
建設業 |
851万円 |
28位 |
安藤・間 |
建設業 |
848万円 |
29位 |
高砂熱学工業 |
建設業 |
847万円 |
30位 |
若築建設 |
建設業 |
842万円 |
【コメント】
- トップ30は全て平均年収800万円以上でした。ここまでにランクインしている企業であれば年収1000万円は高確率で目指せるでしょう。
- トップ30も年収900万円以上の企業は8社あり、スーパーゼネコンのようにビル建築まではいかないが、商業施設やマンションなど高額な建設に携わっています。
- トップ30の年収800万以上の企業も、不動産や環境・省エネのソリューションなど、建築に留まらず幅広い事業展開をしています。
- 以上のようにトップ30は、スーパーゼネコンのような超高層ビル建設に次ぐ、商業施設やマンションをはじめとした日本の建設に欠かすことができない需要があり、高額な建築とその他のソリューションを幅広く展開している企業が上位を占めています。
建設業界の年収ランキング31位~168位
31位以下の結果はこのようになりました。
順位 |
社名 |
業種 |
平均年収 |
31位 |
福田組 |
建設業 |
841万円 |
32位 |
五洋建設 |
建設業 |
838万円 |
33位 |
西松建設 |
建設業 |
835万円 |
34位 |
三井住友建設 |
建設業 |
835万円 |
35位 |
名工建設 |
建設業 |
834万円 |
36位 |
東亜建設工業 |
建設業 |
834万円 |
37位 |
中外炉工業 |
建設業 |
832万円 |
38位 |
コムシスホールディングス |
建設業 |
825万円 |
39位 |
錢高組 |
建設業 |
824万円 |
40位 |
日本国土開発 |
建設業 |
818万円 |
41位 |
積水ハウス |
建設業 |
817万円 |
42位 |
ライト工業 |
建設業 |
815万円 |
43位 |
三機工業 |
建設業 |
808万円 |
44位 |
ピーエス三菱 |
建設業 |
801万円 |
45位 |
東洋建設 |
建設業 |
800万円 |
46位 |
ウエストホールディングス |
建設業 |
796万円 |
47位 |
NIPPO |
建設業 |
795万円 |
48位 |
アジアゲートホールディングス |
建設業 |
788万円 |
49位 |
日本道路 |
建設業 |
787万円 |
50位 |
熊谷組 |
建設業 |
782万円 |
51位 |
日本電技 |
建設業 |
779万円 |
52位 |
不動テトラ |
建設業 |
779万円 |
53位 |
住友電設 |
建設業 |
778万円 |
54位 |
東亜道路工業 |
建設業 |
775万円 |
55位 |
飛島建設 |
建設業 |
774万円 |
56位 |
大豊建設 |
建設業 |
770万円 |
57位 |
前田道路 |
建設業 |
762万円 |
58位 |
協和エクシオ |
建設業 |
755万円 |
59位 |
富士古河E&C |
建設業 |
750万円 |
60位 |
ビーアールホールディングス |
建設業 |
746万円 |
61位 |
髙松コンストラクショングループ |
建設業 |
746万円 |
62位 |
ナカボーテック |
建設業 |
741万円 |
63位 |
テクノ菱和 |
建設業 |
741万円 |
64位 |
関電工 |
建設業 |
741万円 |
65位 |
インターライフホールディングス |
建設業 |
738万円 |
66位 |
ヤマウラ |
建設業 |
738万円 |
67位 |
新日本建設 |
建設業 |
733万円 |
68位 |
矢作建設工業 |
建設業 |
732万円 |
69位 |
日特建設 |
建設業 |
730万円 |
70位 |
三晃金属工業 |
建設業 |
728万円 |
71位 |
松井建設 |
建設業 |
726万円 |
72位 |
北野建設 |
建設業 |
723万円 |
73位 |
世紀東急工業 |
建設業 |
720万円 |
74位 |
TATERU |
建設業 |
719万円 |
75位 |
東洋エンジニアリング |
建設業 |
716万円 |
76位 |
イチケン |
建設業 |
712万円 |
77位 |
第一建設工業 |
建設業 |
712万円 |
78位 |
日本電設工業 |
建設業 |
708万円 |
79位 |
三井金属エンジニアリング |
建設業 |
704万円 |
80位 |
中電工 |
建設業 |
701万円 |
81位 |
川崎設備工業 |
建設業 |
700万円 |
82位 |
ユアテック |
建設業 |
699万円 |
83位 |
大末建設 |
建設業 |
690万円 |
84位 |
日比谷総合設備 |
建設業 |
686万円 |
85位 |
トーエネック |
建設業 |
683万円 |
86位 |
南海辰村建設 |
建設業 |
682万円 |
87位 |
弘電社 |
建設業 |
682万円 |
88位 |
ナカノフドー建設 |
建設業 |
679万円 |
89位 |
四電工 |
建設業 |
678万円 |
90位 |
九電工 |
建設業 |
676万円 |
91位 |
ミライト・ホールディングス |
建設業 |
675万円 |
92位 |
オーテック |
建設業 |
675万円 |
93位 |
東京エネシス |
建設業 |
675万円 |
94位 |
太平電業 |
建設業 |
667万円 |
95位 |
日本リーテック |
建設業 |
667万円 |
96位 |
ファーストコーポレーション |
建設業 |
659万円 |
97位 |
大盛工業 |
建設業 |
659万円 |
98位 |
技研ホールディングス |
建設業 |
658万円 |
99位 |
レイズネクスト |
建設業 |
658万円 |
100位 |
高橋カーテンウォール工業 |
建設業 |
657万円 |
101位 |
ダイセキ環境ソリューション |
建設業 |
654万円 |
102位 |
三井住建道路 |
建設業 |
653万円 |
103位 |
テノックス |
建設業 |
650万円 |
104位 |
ソネック |
建設業 |
645万円 |
105位 |
タマホーム |
建設業 |
644万円 |
106位 |
巴コーポレーション |
建設業 |
641万円 |
107位 |
植木組 |
建設業 |
640万円 |
108位 |
明星工業 |
建設業 |
632万円 |
109位 |
フィル・カンパニー |
建設業 |
629万円 |
110位 |
ITbookホールディングス |
建設業 |
626万円 |
111位 |
東建コーポレーション |
建設業 |
626万円 |
112位 |
日本基礎技術 |
建設業 |
626万円 |
113位 |
富士ピー・エス |
建設業 |
623万円 |
114位 |
サンヨーホームズ |
建設業 |
616万円 |
115位 |
大成温調 |
建設業 |
616万円 |
116位 |
協和日成 |
建設業 |
613万円 |
117位 |
守谷商会 |
建設業 |
612万円 |
118位 |
佐藤渡辺 |
建設業 |
609万円 |
119位 |
北弘電社 |
建設業 |
608万円 |
120位 |
北海電気工事 |
建設業 |
608万円 |
121位 |
田辺工業 |
建設業 |
604万円 |
122位 |
第一カッター興業 |
建設業 |
603万円 |
123位 |
徳倉建設 |
建設業 |
600万円 |
124位 |
ヤマト |
建設業 |
596万円 |
125位 |
田中建設工業 |
建設業 |
591万円 |
126位 |
北陸電気工事 |
建設業 |
587万円 |
127位 |
暁飯島工業 |
建設業 |
587万円 |
128位 |
金下建設 |
建設業 |
584万円 |
129位 |
麻生フオームクリート |
建設業 |
573万円 |
130位 |
佐田建設 |
建設業 |
570万円 |
131位 |
サンテック |
建設業 |
569万円 |
132位 |
シード平和 |
建設業 |
567万円 |
133位 |
サンユー建設 |
建設業 |
567万円 |
134位 |
シンクレイヤ |
建設業 |
562万円 |
135位 |
常磐開発 |
建設業 |
555万円 |
136位 |
ETSホールディングス |
建設業 |
554万円 |
137位 |
太洋基礎工業 |
建設業 |
554万円 |
138位 |
美樹工業 |
建設業 |
548万円 |
139位 |
マサル |
建設業 |
546万円 |
140位 |
KHC |
建設業 |
545万円 |
141位 |
神田通信機 |
建設業 |
544万円 |
142位 |
キャンディル |
建設業 |
541万円 |
143位 |
ミサワホーム中国 |
建設業 |
537万円 |
144位 |
ヒノキヤグループ |
建設業 |
533万円 |
145位 |
藤田エンジニアリング |
建設業 |
529万円 |
146位 |
クレアホールディングス |
建設業 |
519万円 |
147位 |
日本ハウスホールディングス |
建設業 |
516万円 |
148位 |
ニットー |
建設業 |
516万円 |
149位 |
細田工務店 |
建設業 |
515万円 |
150位 |
サイタホールディングス |
建設業 |
512万円 |
151位 |
岐阜造園 |
建設業 |
509万円 |
152位 |
ベステラ |
建設業 |
507万円 |
153位 |
土屋ホールディングス |
建設業 |
507万円 |
154位 |
JESCOホールディングス |
建設業 |
500万円 |
155位 |
高田工業所 |
建設業 |
498万円 |
156位 |
ルーデン・ホールディングス |
建設業 |
496万円 |
157位 |
省電舎ホールディングス |
建設業 |
496万円 |
158位 |
コーアツ工業 |
建設業 |
496万円 |
159位 |
日本乾溜工業 |
建設業 |
478万円 |
160位 |
三東工業社 |
建設業 |
478万円 |
161位 |
安江工務店 |
建設業 |
467万円 |
162位 |
工藤建設 |
建設業 |
467万円 |
163位 |
Lib Work |
建設業 |
463万円 |
164位 |
FUJIジャパン |
建設業 |
449万円 |
165位 |
日本アクア |
建設業 |
437万円 |
166位 |
フィット |
建設業 |
437万円 |
167位 |
エムビーエス |
建設業 |
404万円 |
168位 |
スペースバリューホールディングス |
建設業 |
370万円 |
【コメント】
- トップ31位以下の企業では同じ上場企業でも、平均年収300万円台~800万円台と大きな開きが出ました。
- トップ31位以下の企業でも上位の企業は、交通やエネルギーなどインフラ関連や、施設やビルなど大規模建設に携わる企業が占めています。
- 一方で最下位の企業になるほど、注文住宅、リフォーム事業などBtoC向けの建設業や低単価サービスを展開をしている企業が多い傾向がありました。
- また上位の企業は、歴史がある企業が多く、事業規模も大きく日本全国や海外へ展開している企業が多い傾向がありました。
- 建設業界でも年収が下層の年収300万円台~500万円台の企業が45社で、これらの企業では年収1000万円を目指すことは中々難しいでしょう。
建設業界で年収1000万円以上を狙うには
建設業界で年収1000万円以上を狙うこと、企業選定をきちんとすれば十分可能であると言えます。なぜなら、平均年収1000万円を超える企業は5社、建設業界の約半数である81社は、平均年収700万円以上だからです。建設業界上場企業の平均と比較しても全体的に平均年収の高い業種と言えるでしょう。
具体的に言うと、同じ建設業界でもスーパーゼネコンと呼ばれる業界の大手企業は年収1000万円以上です。また年収700万円以上を超える企業は、ビルや交通、商業施設など高単価の建設に携わっている企業が多い傾向にあります。
一方で、リフォームや注文住宅などを扱う事業内容がBtoC向けの低単価であり、規模の小さいビジネス展開をしている企業は、年収300~400万円台の企業も少なくありません。このような企業では年収1000万円は厳しいと思われ、サービス内容とビジネス展開規模などがを見極めることが重要です。
ちなみに中の人は25歳年収300万円から4回の転職を重ねた結果、30代半ばで年収1,300万円を得ることができました。
自分で4回の転職をして分かったのですが、自分にとって有効な転職サービスは自分の年収・キャリアによって下記のように違います。
現在の年収 |
使うべき転職サービス |
---|---|
年収300万以下 |
|
年収300~600万 |
〇:リクルートエージェント やJACリクルートメントやマイナビエージェントのような「総合型転職エージェント」を使うべき。 ×:リクナビNEXTのような「通常の転職サイト」は段々合わなくなる。 |
年収600~800万 |
〇:エージェントはコンサルならコンコードやアクシスコンサルティング、金融ならコトラのような「業界特化型転職エージェント」を利用すべき。 〇:この時期からビズリーチ・LinkedIn・リクルートダイレクトスカウト・Liigaのような「ハイクラス転職サイト」も併用すべき。 ×:リクルートエージェントのような「総合型転職エージェント」はもう卒業。 |
年収800~1,000万以上 |
〇:同じく「業界特化型転職エージェント」と「ハイクラス転職サイト」を併用すべきだが、年収600~800万の時以上に、ビズリーチ・LinkedIn・リクルートダイレクトスカウト・Liigaのような「ハイクラス転職サイト」をより積極的に利用すべき。 |
こちらの記事で、私が25歳年収300万円から30代半ばで年収1,300万円を得た経験談を解説していますので、宜しければ御覧ください。
他にも、「年収1,000万円/2,000万円狙える会社の条件」や「業界毎の年収の違い」、「業界別年収ランキング」について、過去に下記の記事で分析・考察しました。興味がある方は是非こちらもお読みください。
<年収1,000万円/年収2,000万円を狙える会社の条件について>
<業界別年収ランキング>