今回は陸運業界、海運業界、空運業界、倉庫・運輸関連業界の平均年収と年収ランキングをまとめました。
同じ業界でも事業内容や規模が多岐にわたり、年収に大きな差があります。そこで今回はランキングと共にその傾向を簡単にまとめました。
データソースは上場している陸運業、海運業、空運業、倉庫・運輸関連業界122社の有価証券報告書です(企業価値検索サービス Ullet(ユーレット)を使用)。有価証券報告書で公開されている各社の2019年度or2020年度の各社平均年収を基にしています。
- 陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の平均年収
- 陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の年収ランキング上位10社
- 陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の年収ランキング11位~30位
- 陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の年収ランキング31位~122位
- 陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界で年収1000万円以上を狙うには
陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の平均年収
まずは陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の全体平均(※)です。下記のようになりました
分類(東証の業種区分に準ずる) |
平均年収 |
平均年齢 |
陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界全体 |
633万円 |
41.7歳 |
(参考)上場企業3,774社全体 |
614万円 |
38歳 |
【コメント】
- 陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界全体では平均633万円と、上場企業全体の平均と比較して高い結果となりました。
- 平均年齢は上場企業全体平均より高く、平均年収は他業界と比較しても高水準です。
陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の年収ランキング上位10社
続けて、年収ランキングTOP10です。
順位 |
社名 |
業種 |
平均年収 |
1位 |
商船三井 |
海運業 |
985万円 |
2位 |
東京汽船 |
倉庫・運輸関連業 |
980万円 |
3位 |
日本郵船 |
海運業 |
958万円 |
4位 |
共栄タンカー |
海運業 |
957万円 |
5位 |
ヤマトホールディングス |
陸運業 |
956万円 |
6位 |
飯野海運 |
海運業 |
936万円 |
7位 |
相鉄ホールディングス |
陸運業 |
900万円 |
8位 |
NSユナイテッド海運 |
海運業 |
877万円 |
9位 |
阪急阪神ホールディングス |
陸運業 |
876万円 |
10位 |
ANAホールディングス |
空運業 |
832万円 |
【コメント】
- トップ10の全企業は、800万円台~900万円台と年収に大差はなく、平均年収1000万円を超える企業はありませんでした。
- 平均年収900万円以上の企業は海運業が多く、具体的にはエネルギーやインフラ、建築向けの物流を扱う企業が多いようです。
- 平均年収900万円以上の企業は海運業以外には、ヤマトホールディングスや相鉄ホールディングスなど大手陸運業がランクインしていました。
- また平均年収800万円以上になると、空運業のANAホールディングスがランクインしていました。
- 以上のようにトップ10の企業は、年収1000万円以上を超える企業はありませんが、海運業が比較的年収が高く、どこも日本のインフラを支える大手運輸業が多くランクインしています。
陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の年収ランキング11位~30位
続けて、年収ランキング11位~30位です。
順位 |
社名 |
業種 |
平均年収 |
11位 |
川崎汽船 |
海運業 |
831万円 |
12位 |
日本航空 |
空運業 |
826万円 |
13位 |
乾汽船 |
海運業 |
825万円 |
14位 |
京阪ホールディングス |
陸運業 |
816万円 |
15位 |
西武ホールディングス |
陸運業 |
814万円 |
16位 |
三菱倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
809万円 |
17位 |
日立物流 |
陸運業 |
806万円 |
18位 |
近鉄グループホールディングス |
陸運業 |
803万円 |
19位 |
東海汽船 |
海運業 |
796万円 |
20位 |
伊勢湾海運 |
倉庫・運輸関連業 |
780万円 |
21位 |
小田急電鉄 |
陸運業 |
763万円 |
22位 |
近鉄エクスプレス |
倉庫・運輸関連業 |
762万円 |
23位 |
住友倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
758万円 |
24位 |
三井倉庫ホールディングス |
倉庫・運輸関連業 |
750万円 |
25位 |
安田倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
750万円 |
26位 |
宇徳 |
倉庫・運輸関連業 |
748万円 |
27位 |
京成電鉄 |
陸運業 |
741万円 |
28位 |
東急 |
陸運業 |
737万円 |
29位 |
川崎近海汽船 |
海運業 |
737万円 |
30位 |
東海旅客鉄道 |
陸運業 |
734万円 |
【コメント】
- トップ30は全て平均年収700万円以上でした。これらの企業であれば平均年収1000万円を目指すことは可能でしょう。
- 16位にはじめて倉庫事業を主にしている三菱倉庫が入りました。倉庫事業を主にしている企業で800万円以上は三菱倉庫のみとなります。
- またトップ30には大手鉄道会社各社が多くランクインしていました。
陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界の年収ランキング31位~122位
31位以下の結果はこのようになりました。
順位 |
社名 |
業種 |
平均年収 |
31位 |
玉井商船 |
海運業 |
730万円 |
32位 |
セイノーホールディングス |
陸運業 |
721万円 |
33位 |
東洋埠頭 |
倉庫・運輸関連業 |
716万円 |
34位 |
東日本旅客鉄道 |
陸運業 |
715万円 |
35位 |
京王電鉄 |
陸運業 |
712万円 |
36位 |
東武鉄道 |
陸運業 |
712万円 |
37位 |
名港海運 |
倉庫・運輸関連業 |
703万円 |
38位 |
栗林商船 |
海運業 |
699万円 |
39位 |
センコーグループホールディングス |
陸運業 |
696万円 |
40位 |
京浜急行電鉄 |
陸運業 |
695万円 |
41位 |
日本トランスシティ |
倉庫・運輸関連業 |
691万円 |
42位 |
新京成電鉄 |
陸運業 |
687万円 |
43位 |
澁澤倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
686万円 |
44位 |
SGホールディングス |
陸運業 |
683万円 |
45位 |
SBSホールディングス |
陸運業 |
683万円 |
46位 |
明治海運 |
海運業 |
682万円 |
47位 |
西日本旅客鉄道 |
陸運業 |
669万円 |
48位 |
日新 |
倉庫・運輸関連業 |
662万円 |
49位 |
アジア航測 |
空運業 |
655万円 |
50位 |
櫻島埠頭 |
倉庫・運輸関連業 |
653万円 |
51位 |
丸運 |
陸運業 |
649万円 |
52位 |
ニッコンホールディングス |
陸運業 |
645万円 |
53位 |
パスコ |
空運業 |
642万円 |
54位 |
丸八倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
636万円 |
55位 |
アルプス物流 |
陸運業 |
633万円 |
56位 |
杉村倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
630万円 |
57位 |
カンダホールディングス |
陸運業 |
629万円 |
58位 |
東海運 |
倉庫・運輸関連業 |
620万円 |
59位 |
丸全昭和運輸 |
陸運業 |
617万円 |
60位 |
日本石油輸送 |
陸運業 |
616万円 |
61位 |
ロジネットジャパン |
陸運業 |
612万円 |
62位 |
日本通運 |
陸運業 |
609万円 |
63位 |
南海電気鉄道 |
陸運業 |
609万円 |
64位 |
名古屋鉄道 |
陸運業 |
604万円 |
65位 |
スターフライヤー |
空運業 |
600万円 |
66位 |
ケイヒン |
倉庫・運輸関連業 |
599万円 |
67位 |
サンリツ |
倉庫・運輸関連業 |
595万円 |
68位 |
エージーピー |
倉庫・運輸関連業 |
594万円 |
69位 |
山九 |
陸運業 |
591万円 |
70位 |
アサガミ |
倉庫・運輸関連業 |
591万円 |
71位 |
大東港運 |
倉庫・運輸関連業 |
590万円 |
72位 |
日本コンセプト |
倉庫・運輸関連業 |
579万円 |
73位 |
上組 |
倉庫・運輸関連業 |
575万円 |
74位 |
富士急行 |
陸運業 |
574万円 |
75位 |
西日本鉄道 |
陸運業 |
567万円 |
76位 |
内外トランスライン |
倉庫・運輸関連業 |
567万円 |
77位 |
山陽電気鉄道 |
陸運業 |
566万円 |
78位 |
東陽倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
563万円 |
79位 |
京極運輸商事 |
陸運業 |
558万円 |
80位 |
兵機海運 |
倉庫・運輸関連業 |
558万円 |
81位 |
大運 |
倉庫・運輸関連業 |
558万円 |
82位 |
トレーディア |
倉庫・運輸関連業 |
554万円 |
83位 |
伏木海陸運送 |
倉庫・運輸関連業 |
553万円 |
84位 |
九州旅客鉄道 |
陸運業 |
550万円 |
85位 |
キムラユニティー |
倉庫・運輸関連業 |
548万円 |
86位 |
ゼロ |
陸運業 |
546万円 |
87位 |
キユーソー流通システム |
倉庫・運輸関連業 |
545万円 |
88位 |
エーアイテイー |
倉庫・運輸関連業 |
541万円 |
89位 |
川西倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
538万円 |
90位 |
広島電鉄 |
陸運業 |
537万円 |
91位 |
リンコーコーポレーション |
倉庫・運輸関連業 |
533万円 |
92位 |
C&Fロジホールディングス |
陸運業 |
529万円 |
93位 |
神奈川中央交通 |
陸運業 |
528万円 |
94位 |
京福電気鉄道 |
陸運業 |
524万円 |
95位 |
鴻池運輸 |
陸運業 |
521万円 |
96位 |
秩父鉄道 |
陸運業 |
517万円 |
97位 |
タカセ |
陸運業 |
516万円 |
98位 |
神戸電鉄 |
陸運業 |
512万円 |
99位 |
トナミホールディングス |
陸運業 |
511万円 |
100位 |
日本ロジテム |
陸運業 |
504万円 |
101位 |
神姫バス |
陸運業 |
496万円 |
102位 |
中央倉庫 |
倉庫・運輸関連業 |
494万円 |
103位 |
福山通運 |
陸運業 |
483万円 |
104位 |
佐渡汽船 |
海運業 |
483万円 |
105位 |
大和自動車交通 |
陸運業 |
478万円 |
106位 |
大宝運輸 |
陸運業 |
476万円 |
107位 |
サカイ引越センター |
陸運業 |
473万円 |
108位 |
遠州トラック |
陸運業 |
471万円 |
109位 |
ハマキョウレックス |
陸運業 |
467万円 |
110位 |
ヒガシトゥエンティワン |
陸運業 |
465万円 |
111位 |
北海道中央バス |
陸運業 |
462万円 |
112位 |
名鉄運輸 |
陸運業 |
455万円 |
113位 |
エスライン |
陸運業 |
453万円 |
114位 |
丸和運輸機関 |
陸運業 |
441万円 |
115位 |
南総通運 |
陸運業 |
440万円 |
116位 |
岡山県貨物運送 |
陸運業 |
421万円 |
117位 |
東部ネットワーク |
陸運業 |
421万円 |
118位 |
トランコム |
倉庫・運輸関連業 |
420万円 |
119位 |
第一交通産業 |
陸運業 |
409万円 |
120位 |
新潟交通 |
陸運業 |
404万円 |
121位 |
ファイズホールディングス |
倉庫・運輸関連業 |
394万円 |
122位 |
センコン物流 |
陸運業 |
387万円 |
【コメント】
- 同じ上場企業でも、平均年収300万円台から700万円台まであり、大きな差がありました。
- 年収700万円台の企業は、トップ30に続き、海運業や大手の鉄道会社が多くランクインしています。
- 一方で年収500万円以下の企業は、引っ越し事業や路線バス、観光バスなどBtoC向け事業で、売上単価が低い企業が多いようです。
- 最下位の方の運輸業は、地方拠点で展開している陸運業が多いようです。
陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界で年収1000万円以上を狙うには
陸運・海運・空運・倉庫・運輸業界は、トップ30位以内の企業に入社すれば、40代以降のどこかで年収1000万円に到達することは可能でしょう。しかしそれ以外の企業では、基本的に年収1000万円以上を狙う難易度は高いと言えます。
業界の中でも年収が高いのは、海運業や、グローバルに物流を取り扱う大手陸運・空運業でした。一方で、事業内容がBtoC向けの低単価であり、地方都市に限定した規模でビジネス展開をしている企業は、同じ業界の中でも300~400万円台という企業も少なくありません。
ちなみに中の人は25歳年収300万円から4回の転職を重ねた結果、30代半ばで年収1,300万円を得ることができました。
自分で4回の転職をして分かったのですが、自分にとって有効な転職サービスは自分の年収・キャリアによって下記のように違います。
現在の年収 |
使うべき転職サービス |
---|---|
年収300万以下 |
|
年収300~600万 |
〇:リクルートエージェント やJACリクルートメントやマイナビエージェントのような「総合型転職エージェント」を使うべき。 ×:リクナビNEXTのような「通常の転職サイト」は段々合わなくなる。 |
年収600~800万 |
〇:エージェントはコンサルならコンコードやアクシスコンサルティング、金融ならコトラのような「業界特化型転職エージェント」を利用すべき。 〇:この時期からビズリーチ・LinkedIn・リクルートダイレクトスカウト・Liigaのような「ハイクラス転職サイト」も併用すべき。 ×:リクルートエージェントのような「総合型転職エージェント」はもう卒業。 |
年収800~1,000万以上 |
〇:同じく「業界特化型転職エージェント」と「ハイクラス転職サイト」を併用すべきだが、年収600~800万の時以上に、ビズリーチ・LinkedIn・リクルートダイレクトスカウト・Liigaのような「ハイクラス転職サイト」をより積極的に利用すべき。 |
こちらの記事で、私が25歳年収300万円から30代半ばで年収1,300万円を得た経験談を解説していますので、宜しければ御覧ください。
他にも、「年収1,000万円/2,000万円狙える会社の条件」や「業界毎の年収の違い」、「業界別年収ランキング」について、過去に下記の記事で分析・考察しました。興味がある方は是非こちらもお読みください。
<年収1,000万円/年収2,000万円を狙える会社の条件について>
<業界別年収ランキング>