転職サイト/就活サイトの中の人 (@tennakanohito)です。
この記事では、「マッキンゼー・アンド・カンパニーの選考フロー・難易度・面接内容」や「転職するための対策方法」、「入社した後の仕事の実態や想定年収、カルチャー」について解説したいと思います。
中の人は元コンサルタントであり、過去に転職エージェントとしてもマッキンゼーへの転職を支援したことがあります。
また、本記事を書くにあたり、マッキンゼーの中途採用で内定を獲得した方にインタビューを行いました(その方は現在はマッキンゼーを退職して事業会社に転職されたそうです)。
今回はこれらの情報を基に書きましたので、表面上の内容ではない「手触りのある情報」が得られると思います。
またマッキンゼーの転職に有効な転職エージェントについてはこちらの記事で解説しているので、併せてご覧ください。
- マッキンゼー・アンド・カンパニーの中途採用募集状況・難易度
- マッキンゼー・アンド・カンパニーの中途採用の選考フロー
- マッキンゼー・アンド・カンパニー中途採用の書類選考・筆記試験の内容
- マッキンゼー・アンド・カンパニー中途採用の面接内容
- マッキンゼー・アンド・カンパニー中途採用の対策方法は?
- マッキンゼー・アンド・カンパニー中途採用の有利な応募ルート・転職エージェント(無料です)
- マッキンゼー・アンド・カンパニー転職後の年収
- マッキンゼー・アンド・カンパニー転職者の評判・感想(入社して良かった点・後悔/失敗した点)
- マッキンゼー・アンド・カンパニーの社風・残業実態・激務度
- 他のコンサルティングファームの転職成功方法・面接内容・選考対策
【執筆者】
転職サイト/就活サイトの中の人
某転職サイトと就活サイトを運営する会社の役員(CxO)です。元コンサルタント。人材業界10年目で自分も4回転職。転職市場はブラックボックスが多い事に問題意識を感じ、本サイトにて「忖度なく」知っている事を話します。twitterフォロワーは合計10,000名。
twitter:就活サイトの中の人
twitter:転職サイトの中の人
マッキンゼー・アンド・カンパニーの中途採用募集状況・難易度
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、東大生の人気企業ランキングでも最上位に常にランクインする、日本のトップオブトップ企業。そのため中途採用でも最難関企業の一社です。
しかし、近年はコンサルティングビジネスの規模拡大に伴い、年間数十人単位で中途採用をするようになり、昔よりは入りやすくなりました。
マッキンゼーは昔は新卒採用も中途採用もあまり多くの人を採っていませんでしたので、今は入社するチャンスと言えるでしょう。
また採用ポジションも幅広いスキルセットの方にマッキンゼーの門戸を開くようになりました。
まず、現在はピュアな戦略コンサルタント(社内呼称:インテグレートコンサルタント)ポジションだけでなく、戦略の実行を主に担当する「インプリメンテーションコンサルタント」(最近はマッキンゼー・アクセラレートに名前を変えました)も数多く募集しています。
またコンサルタント以外の職種でも、「マッキンゼー・デジタル」というチームにて、プロダクトオーナー・デザイナー・データサイエンティスト・エンジニア経験者も募集しています(これらのポジションでは筆記やケース面接をあまり課さないようです)。
とはいえ基本的な選考プロセスは、特殊な筆記試験(なんとオンライン育成ゲーム形式です)に加え、5~6回の"ケース面接"行うことが一般的であり、選考倍率は依然としてとても高くなっています。
内定をとるには、2~3ヵ月以上かけて徹底的に選考対策することが不可欠です。半年以上かけて対策する方も珍しくありません。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの中途採用の選考フロー
マッキンゼー中途採用の選考フローは以下の通りです。
書類選考
・基本和文履歴書+英文履歴書(CV)が必要
↓
筆記試験
・玉手箱+育成ゲーム(Imbellus)
↓
1次面接
・1度に2回実施・1人50分程度
・内容は全て、通常面接20分+ケース面接30分
・マネージャークラスが担当
・一部英語で実施(面接官による)
↓
英語試験
・ベルリッツのGBCテスト・20分程度
↓
2次面接
・1度に3~4回実施・1人50分程度
・内容は全て、通常面接20分+ケース面接30分
・パートナー~シニアパートナーが担当
・一部英語で実施
↓
内定
厳密にはインテグレートコンサルタント、インプリメンテーションコンサルタントの2つのポジションがありますが、選考の流れはほぼ一緒です。
※ただし選考難易度はインテグレートコンサルタントの方が高めです。
基本的には、書類選考と筆記試験を経て、ケース面接+通常面接が合計5~6回程度行われて、ようやく内定が出ます。
【豆知識】ケース面接とは?
ケース面接とは、「吉野家の売上を2倍にする戦略を考えてください」「10年後家電業界はどうなると思いますか?」などのビジネスケース(お題)への回答を、面接の中で一定時間内に求められるという特殊な面接のことです。
もしケース面接について今初めて知ったという方は、今マッキンゼーを受けたら100%落ちます。
幸い日本では、一部のコンサル業界専門のエージェントがケース面接や筆記試験の対策をしてくれる(無料です)ので、試験内容や対策方法を試しに相談してみるとよいでしょう。
※エージェント例:アクシスコンサルティング、コンコードエグゼクティブグループ
また、【元戦略コンサルが解説】ケース面接とは何か?解き方・選考対策の基本の記事で簡単に解法を解説しておりますので、こちらも宜しければ是非お読みください。
ここからは選考プロセスごとに、マッキンゼーの選考内容の解説をしていきます。
マッキンゼー・アンド・カンパニー中途採用の書類選考・筆記試験の内容
マッキンゼーの書類選考は「英文履歴書(CV)」が必要
マッキンゼーにエントリーするには、他の外資系ファームと違い英文履歴署(CV)が必ず必要です(ちなみにBCGやBainはCVは不要)。
英文履歴書はフォーマットも書き方も和文履歴書とかなり異なります。
もし英文履歴書に慣れていない方は、エントリーを出す前に、コンサル業界や外資系に強いエージェントや、元外資系社員の知人にレビューしてもらうことをおすすめします。
マッキンゼーの筆記試験(Webテスト)は玉手箱+育成ゲーム(Imbellus)
筆記試験は2つあります。玉手箱+育成ゲーム(Imbellus)です。
意外にここで足元をすくわれる方が多いので、事前に対策してから臨むようにしましょう。
玉手箱は市販の対策本を2周すれば大丈夫でしょう。
問題は、育成ゲーム(Imbellus)です。
ゲームの画面は↓のような画像で、本格的な育成ゲームを試験として行うことになります(この章の冒頭の画像もImbellusの画像です)
ゲームは主に2つあり、下記のような内容のようです。
◆ゲーム1(Part1)
とある水環境で生態系を築き上げるというゲームです。
- 水環境はエリアによって、水温・深度・水流・・・などが異なります。
- 植物と魚合わせて、一定数以上の種類が共存しないといけません
- 植物と魚には一定の制約が設けられている(XX植物はXX魚に食べられる、YY魚はZZ魚に食べられる・・・)
- 上記を考慮したうえで、制限時間内にできるだけ生態系を豊かに育てていってください
◆ゲーム(Part2~4)
自身に付与されたモノを外敵から守るというゲームです(各12分×3回)
- ターン制のディフェンスシミュレーションゲームで、外敵が画面中央に位置する植物目掛けて毎ターン突進してきます
- プレイヤーは障害物として外敵の天敵を適切に配置することで、画面中央の植物を守ることができます
- 上記を考慮したうえで、制限時間内にできるだけ植物を豊かに育てていってください
マッキンゼーを受けた方の話を聞くと、トップ企業出身者でも育成ゲームでお見送りになっている方が少なくないようです。
そのため、真剣に(?)スクリーニングに用いられているものと思われます。
このゲーム自体は事前に行うことはできないので、対策しようがないのですが、気持ちの準備だけはしておくようにしましょう。
マッキンゼー・アンド・カンパニー中途採用の面接内容
マッキンゼーの全ての面接は「通常面接(20分)」+「資料読みとりケース面接(30分)」
マッキンゼーの面接は前述したように、1次面接(2~3人)と最終面接(3人)に分かれます。また、1次面接と最終面接の間には英語の口頭試験(ベルリッツ/20分程度)があります。
マッキンゼーの面接は、1人目の面接から5~6人目の最終面接まで、ほぼ全ての面接が、「通常面接パート(20分)」+「資料読みとりケース面接パート(30分)」という流れという特徴があります。
通常面接パートは、どの面接でも主に「Personal Experience」と「志望動機」について20分程度聞かれます。特に深堀りされるのは「Personal Experience」です。
ケース面接パートは「資料読みとりケース」という、マッキンゼー独自の出題形式で行われます。
マッキンゼーのケース面接は、どの面接でも事前に用意されたケース問題の資料(数枚)を基に行います。
どの面接もある大企業やファンドから依頼されたという設定の資料が提示され、大体3問の小問を回答+ディスカッションすることになります。
※時間がない場合は小問2問で終わることもあります。
ここからは実際の面接の実例を見ながら、マッキンゼーのケース面接のイメージを掴んでいきましょう。
マッキンゼー1次面接(50分×2回)の実例
マッキンゼーの1次面接は通常2回連続で行われます。面接官はマネージャークラスが担当し、内容は通常面接20分+ケース面接30分です。
通常面接パートの実例
通常面接は前述したように志望動機に加え「Personal Exepriense」の深堀りがメインです。
主に以下のようなことを聞かれるようです。
- 過去のエピソードで最も苦労したことはなにか?
- 過去に意見が対立した場面はあるか?そのときにどう対処したか?
- 今までで最もチャレンジングだったことはあるか?
また各質問に対して、
「そのエピソードではどういう人がかかわってきましたか?」
「そう対処したとき、相手の方はどんな反応しましたか?」
「それは、なぜあなただからできたと思いますか?」
など、その時のシーンやあなたの考えについてかなり詳細に深堀してくるという特徴があります。
また、2人目以降の面接官は「1人目の面接官に話したエピソードと別のことを話してほしい」とリクエストしてくることがある、という特徴があります。
ですので、通常面接で話すエピソードは事前に複数用意しておくとよいでしょう。過去の自分の職務経歴について、事前に振り返っておくと有効です。
■ケース面接パートの実例
ケース面接は例えば下記のようなケースが出題されるようです。
■ヨーロッパのある大手飲料メーカーのケース
・イギリスをはじめグローバルに展開している大手飲料メーカーで、事業セグメントはスポーツ飲料、ジュース、茶類、酒類など様々な飲料を展開している。最近では飲料で得た技術を派生して、医療品にも進出している。
・最近ジュース事業の利益が落ちていて、先方のCEOより依頼された。
【1問目】このジュース事業の利益が落ちている理由を全て網羅的にあげよ(思考時間:5分)
【2問目】ここにジュース事業のブランドごとの売上・販売数量・展開国数・売上シェア・営業利益に関する数表がある。この数表からわかることは?(思考時間:3分)
【3問目】もし売上シェアがX%増えたら、営業利益はどれぐらい増えるか?(思考時間:3分)
2人の面接官とも大体同じように、あるコンサルティングプロジェクトを題材に、
- 検討すべきポイントを網羅的にあげよ
- この数表からわかることは?
- 計算問題
の3問で構成されることが多いようです。なお数表問題と計算問題は順番が前後することがあります。
※ちなみに後述しますが最終面接も同じ流れです。
また1問目に関しては「売上」ではなく「利益」について構造分解することが求められることが多いので、売上サイドに関する因数分解だけでなく、コストサイドの因数分解についても練習しておく必要があります。
元社員の話によると、このケーススタディのペーパーはグローバル共通で用意されたもので、数百種類あるようです。この中から面接官ごとに使用するケースを選んで出題されるようです。
最後に、ケース問題で英語が出るかについてですが、基本的には面接官次第です。
マッキンゼーの場合、マネージャークラスまでは日本人が多いので、日本語で行われることが多いでしょう。
しかしこれはあくまで「運」なので外国人が出たときの心の準備は常にしておきましょう。
また、後述しますが最終面接では最低1人は英語でケース面接が行われます。
マッキンゼー最終面接(50分×3回)の実例
マッキンゼーの最終面接は通常3回連続で行われます。面接官はパートナー~シニアパートナーが担当し、内容は通常面接20分+ケース面接30分です。
また少なくとも1人は英語で実施されます。
通常面接パートの実例
最終面接の通常面接パートは、1次面接と同じく、志望動機に加え「Personal Exepriense」の深堀りがメインです。
1次面接と同じく、主に以下のようなことを聞かれるようです。
- 過去のエピソードで最も苦労したことはなにか?
- 過去に意見が対立した場面はあるか?そのときにどう対処したか?
- 今までで最もチャレンジングだったことはあるか?
各質問への深堀があることも1次面接と同様です。
また「1次面接の面接官に話したエピソードと別のことを話してほしい」とリクエストしてくることがありますので、エピソードは事前に複数用意しておくとよいでしょう。
また少なくとも1人は英語で実施されるため、英語でも落ち着いてエピソードを話せるように、想定問答をいくつか事前に準備しておくとよいでしょう。
ケース面接パートの実例
ケース面接は例えば下記のようなケースが出題されるようです。今回はファンドから依頼されたシーンのケースを紹介します。
※もちろん1次面接で紹介したような大企業から依頼されたケースも非常に多く出てきます。
■米国のあるPEファンドから依頼されたケース
・あるアジアにある外食チェーンの買収を検討しており、買収判断を依頼された。
・オーナーは100%売却意向。7年で100店舗に拡大。現在はマレーシアを中心に展開している。最近インドネシアやシンガポールに進出し始めた。
【1問目】この会社の買収で検討すべき要素を構造化し、できるだけ網羅的にあげよ(思考時間:5分)
【2問目】ここに地域ごとの出店数、店員数、売上、利益の一覧表がある。この数表からわかることは?(思考時間:3分)
【3問目】この会社は3年間で営業利益率5%は達成できる見込みだ。一方でこのPEファンドの投資基準は25%のIRRを達成すること。この企業の売上をいくらまで上げれば達成可能か?(思考時間:3分)
3人の面接官とも大体同じように、あるコンサルティングプロジェクトを題材に、
- 検討すべきポイントを網羅的にあげよ
- この数表からわかることは?
- 計算問題
の3問で構成されることが多いようです。
元社員の話によると、PEファンドから依頼されたケースも面接で良く出てくるようなので、ファンドのビジネスモデルに関しての基本知識の学習や、ファンド関連のケース対策も準備しておくとよいでしょう。
またケース問題も少なくとも1人は英語で実施されるので、英語でケースを解答・ディスカッションする練習もしておくとよいでしょう。
なお元社員の話によると、英語になると聞き取りや回答が拙くなることは面接官も「織り込み済み」のようです。分からない単語は遠慮なくしっかりと聞き直し、落ち着いて堂々と自分の意見を伝えられるように心がけましょう。
マッキンゼー・アンド・カンパニー中途採用の対策方法は?
結論から言うと、ケース面接対策を入念に行うことが肝になるでしょう。
マッキンゼーのケース問題の要求水準は高いです。内定者の話によると、東大でもトップレベルで頭脳明晰だった方でも、内定するには1~2か月程度のケース問題対策は必須になっています。通常の地頭の方では半年~1年程度対策してもおかしくないそうです。
ちなみに通常面接に関してはエピソードをしっかり用意して模擬面接を重ねれば、対策可能です。
元マッキンゼー社員の方の話によると、ケース面接の有効な対策方法は、下記しかないとのことです。
- まずケース面接の本やロジカルシンキングに関する本を一通り読み込み、「ケース面接の解き方の型」を身に着ける
- そのうえで、元戦略コンサルの方との模擬面接を徹底的に繰り返す
上記の中で、「元戦略コンサルの模擬面接の相手」を探すのが一番大変だと思うのですが、最近では転職エージェントの方で元コンサルティングファーム出身で、かつ「模擬面接を何度もしてくれる」という方が何人かいます。
例えば、マッキンゼーデジタルのポジションであればアクシスコンサルティングやmovin、戦略コンサルタントのポジションであればコンコードやWayoutに相談すれば、出身者とケース面接対策ができるのでよいと思います。
また書籍に関しては、下記の本が代表的対策本なので、読んだことがない人は一通り読んでみるとよいでしょう。
ケース面接対策におすすめの書籍
・・・この2冊の本はケース面接の解き方のイメージが分かりやすく書いてあるので、入門書としてとてもいいです。が、この本のアプローチのレベルのままで戦略コンサルの面接に臨むと落ちますので、この本を読んだら次に以下の書籍を読みましょう。
【中級者~上級者向け(≒内定レベル)】
マッキンゼー・アンド・カンパニー中途採用の有利な応募ルート・転職エージェント(無料です)
まずマッキンゼーには結論から言うと、転職サイトやスカウト経由よりも、「各コンサルの選考対策に精通したコンサル業界専門の転職エージェント」を通じて受けた方が断然有利でしょう(これはマッキンゼーに限らず戦略コンサルは一般的にそうです)。
具体的に言うと、マッキンゼーデジタルやアクセンチュア・BIG4は、基本的にはアクシスコンサルティングやアサインを通じて受けた方がいいと思います。
そして戦略コンサルタントのポジションはコンコードやWayoutを通じて受けた方がいいと思います。
コンサル業界専門の転職エージェントを通じて受けると有利な点はいくつかあります。
まず一つ目は、「ケース面接の過去問が分かること」ですね。
アクシスコンサルティングやコンコードのようなコンサル業界専門の転職エージェントを利用すると、過去の面接で出た通常面接やケース面接の過去問を全てデータベース化して閲覧することができるので、受ける際に非常に有利です(逆に言うと、リクルートやDODAのような一般の大手エージェントはこのようなDBはありません)。
二つ目は、「ケース面接が出た時の対策が徹底的にできる」ということですね。
ケース面接はかなり難易度が高い面接で、かつ、自己流で対策しても内定レベルの回答がどんなものか掴みづらかったりします(そのためコンサルを受ける時に鬼門になりがちです)。
しかし、コンサル業界出身の転職エージェントの場合、元コンサルのコンサルタントが多く、彼らが元面接官の立場でケース面接をレビュー・フィードバックしてくださるので、非常に精度の高いケース面接練習をすることができます。
以上の2つの理由から、マッキンゼーは基本的にはコンサル業界に精通した転職エージェントを通じて受けたほうがいいと思います。
もしどうしても転職エージェントを使いたくない場合は、次の手段としてビズリーチやリクルートダイレクトスカウトなどを通じて、マッキンゼーからのダイレクトスカウトを受けるのがよいでしょう。なぜなら、スカウト経由なら、書類選考がなくなるからです。
ただマッキンゼーが書類選考免除をスカウトしている対象は、現在では女性しかほぼいないと思いますので、男性の方は基本スカウトは来ないと思った方がよいでしょう。
なお女性の方でも、面接を考えると基本的にはコンサル業界に精通した転職エージェントを通じて受けた方がマッキンゼーは有利だと思います。
なぜなら書類選考は意外に通りやすいですし、書類選考の対策はエージェントがしてくれます。そして一番通過率が低く対策が必要なのは面接だからです。
最後に新卒でマッキンゼーを受けたときに惜しくもジョブで落ちた方は、筆記試験の免除パスをもらっている方もいると思います。そのような方は免除パス経由でもいいかもしれません。
さて、ここからはマッキンゼーに転職すると、どんなキャリアや機会が得られるかについて、元マッキンゼー社員のインタビュー情報を基に書いていきます。
マッキンゼー・アンド・カンパニー転職後の年収
中の人がマッキンゼーの元社員にインタビューした結果では、マッキンゼーに入社した後の年収の目安は下記の通りです。
企業名 |
平均年収 |
マッキンゼー・アンド・カンパニー |
推定1600~2000万円 |
役職名(目安) |
年齢(目安) |
給与(推定) |
ビジネスアナリスト |
1年目〜 |
700万円~900万円 |
アソシエイト |
3年目〜 |
1,200万円〜1,800万円 |
エンゲージメントマネージャー |
5年目〜7年目 |
2,000万円〜3,000万円 |
アソシエイトプリンシパル |
7年目〜実力次第 |
3,000万円〜5,000万円 |
プリンシパル |
実力次第 |
5,000万円〜1億円 |
パートナー |
実力次第 |
1億円〜 |
(有価証券報告書、当サイト独自調査結果を基に作成)
中途採用で入社する場合、ほとんどがビジネスアナリストからのスタートとなります。1年目の年収は700万円〜900万円です。マッキンゼーの給与体系は実力主義となっており、クラス(役職)が上がるにつれて大きく年俸が上がるようになっています。
大抵の場合、2〜3年ぐらいで次のクラスに昇格していきます。3年目になると、アソシエイトに昇格し、年収は1,200万円〜1,800万円まで上がります。そのため、第二新卒の場合であれば、20代後半には年収1,000万円を突破します。
そして5〜7年目になるとエンゲージメントマネージャーに昇格します。このとき年収は2,000万円〜3,000万円になります。
その後、7年目から先は実力次第でクラスが決まってきます。
アソシエイトプリンシパルに昇格すると、年収は一気に3,000万円〜5,000万円まで上がります。そして、アソシエイトプリンシパルとして成果を上げた場合には、プリンシパルに昇格することができます。このとき、年収は5,000万円〜1億円まで大幅に上がります。
そして、プリンシパルでも大きな成果を上げることができた場合には、パートナーという共同責任者のクラスに上がります。このときの年収は1億円〜です。
エンゲージメントマネージャーは、一般的な会社でいうところの管理職です。そのため、このクラスまでは、比較的多くのコンサルタントが到達することができます。
しかし、アソシエイトプリンシパル以上へ昇格するのは一部の成果を上げたコンサルタントしかなることができません。さらに、最高クラスであるパートナーに至っては、かなりの狭き門になるといえます。
「マッキンゼーで年収1,000万円に到達できる確率」「マッキンゼーの30歳時点・40歳時点の平均年収」「マッキンゼーの福利厚生」など、詳細なマッキンゼーの年収事情については下記の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はこちらもご覧ください。
マッキンゼー・アンド・カンパニー転職者の評判・感想(入社して良かった点・後悔/失敗した点)
元社員の声によると、マッキンゼーは下記のような素晴らしい環境があるようです。
マッキンゼーに入社して良かった点
- Team learningという、各個人の強みを尊重し、その能力をチームで最大化させようとする文化がある。
- 半年間に一度、評価があるため昇進が早い。仮に一度昇進の機会を逃したとしても、半年後にまた昇進の機会が得られる。
- 一流企業の一流人材をもってしても解くのが困難な経営課題が寄せられるだけあって、どの仕事でもエキサイティングである。
- クライアントやチームに対してバリューを出している限り、年齢・性別・国籍など一切関係なく昇進できる。
- おびただしい数のトレーニングプログラムや海外プロジェクトの機会があり、本人のやる気とスキル次第で可能性が無限大に拡がる。
- ロジカルシンキングなどの問題解決能力全般については、他にない素晴らしい環境で、何倍ものスピードで身につく。
- 他ファームとの力量の差は大きく、少なくともグローバルレベルでは今後もトップファームとしての地位が傾くことはない。
- 圧倒的なブランド力と、それに支えられた人材の質が担保されている。
一方で、入社前にリスクとして押さえておくべきギャップとしては下記のような点があるようです。
マッキンゼーに入社して後悔/失敗した点・課題点
- 一度悪い評判が社内に回ってしまうと挽回はほぼ不可能で、長い間プロジェクトにアサインされない状態となってしまう。
- 良くも悪くもフラットであり、前職でのキャリアはまったくといっていいほど評価されない。前職でのキャリアを活かしたい場合には、不適切といえる。
- 社内での経験とプロジェクトごとの上司との人間関係が評価のすべてとなるため、中途は新卒と比べると不利。
- 中途採用で入ってくる人は、人間関係において、新卒組とは別扱いされてしまう。あからさまではないが、不満に感じることを覚悟しておいたほうがいい。
- 風通しがよく、実力主義的である一方、実力そのものよりも社内での評価・評判に大きく依存している側面が強い。
- マネージャー以上のポジションは、海外から来た若手の外国人がなることが多い。グローバルファームである以上、英語ネイティブではない日本人は不利になるといえる。
- デジタルに弱い。同業のBCGやアクセンチュアと比べたときに、かなり致命的。
- プロジェクトによっては激務になりうるケースが存在し、二徹などが当たり前になる期間もある。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの社風・残業実態・激務度
結論から言うと、今のマッキンゼーは相変わらずハードワークではありますが、昔と違い土日勤務が少なくなってきました。昔より比較的ワークライフバランスがとれるようになってきたようです。
世界最高峰のコンサルティングファームであるがゆえに、依頼されるプロジェクトの大きさから、その業務量も膨大なものとなっています。そのため、平日はプライベートの予定を入れるということはほとんどできないでしょう。プロジェクトによっては、午後10時以前に帰宅することが稀である場合もあります。
しかし、土日に業務が入ることは少なくなってきたようです。
マッキンゼーで働いている人たちの特徴として、成長意欲を非常に高く持っています。そのため、仕事に対して真摯に向かい合う結果、どうしてもワークライフバランスが仕事に寄りがちになるといえます。
とはいえ、ワークライフバランスを取れるかどうかは、上司のさじ加減といえる部分もあります。もし、出来の悪い上司とプロジェクトで当たってしまった場合には、無駄な仕事をやらされてしまい、プライベートの時間を確保することは余計に難しくなります。
そうならないように、社内に流れる評判を活用し、出来の悪い上司と同じプロジェクトに参加することを避けるのが重要です。
また、プロジェクトの間には長期休暇を取る社員もいるようです。給料を減らすか、有給をしっかりと活用することで、1〜2ヶ月ほどのまとまった時間を取ることも比較的可能なようです。
また下記の記事でコンサルティング業界の選考対策方法や、コンサル業界に強いエージェントを紹介しているので、宜しければ御覧ください。
他のコンサルティングファームの転職成功方法・面接内容・選考対策
以上、色々解説してきましたが本サイトでは、他のコンサルティングファームを受ける際の「選考対策」「面接内容」「選考フロー」「使うべき転職エージェント・転職サイト」について順次解説しています。興味がある方はこちらの記事も参考にしてください。
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