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今後市場価値が高い会社/仕事、5つの条件 ~転職市場の中の人が語る「今後市場価値が高い仕事・低い仕事」~

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今後市場価値が高い会社/仕事 5つの条件

 

転職サイトの中の人(@tennakanohito)就活サイトの中の人 (@nakanohito4649)です。

今日は「今後市場価値が高い会社/仕事の5つの条件」について話したいと思います。

 

中の人の私見ですが、下記の5つの条件を満たしている会社・仕事ほど、「今後市場価値が高い≒生き残りやすい」と思います。

  1. プログラミング知識・スキルがつく(特に機械学習分野)
  2. グローバルを舞台に仕事ができる
  3. 経営に近い仕事である(例:経営イシューを扱う、株主に近い立場である)
  4. 実力主義で昇進できる(年功序列型・全員昇進型の人事制度ではない)
  5. ジョブ型雇用で仕事ができる(古い日系企業のようなジョブローテーション型雇用ではない)

上記に照らし合わせると、就職活動・転職活動をしている皆さんに人気の企業は、下記のような評価になるかなと思います。

今後市場価値が高い5つの条件と、人気の仕事の市場価値

5つの条件全て満たしている仕事はほぼないですね。そんなものです。

全て満たす必要はなく、条件を3つ以上あてはまる仕事に就ければいいと思います。

 

上記の表は以前twitterに投稿したところ、ソコソコ反響をいただきました。

 

そこで今回は「中の人が、この5つの条件が市場価値が高いと思う理由」について、10,000字とnoteであれば普通有料にするぐらいの文章量で徹底的に以下解説しました。よろしければ是非ご覧ください。

※反響次第でこの記事の続編を書きたいと思います^^

 

【執筆者】
転職サイト/就活サイトの中の人

某転職サイトと就活サイトを運営する会社の役員(CxO)です。元コンサルタント。人材業界10年選手。25歳年収300万円の時に勤めていた無名企業が倒産→27歳の時に東北地震の影響で会社を整理解雇→転職4回で現在は年収1,300万円超です(最近5回目の転職をし年収1,500万円超になりました)。転職市場はブラックボックスが多い事に問題意識を感じ、本サイトにて「忖度なく」知っている事を話します。twitterフォロワーは合計10,000名。
twitter:転職サイトの中の人
twitter:就活サイトの中の人

 

 

1.プログラミング知識・スキルがつく(特に機械学習分野)

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今後市場価値が高い仕事として間違いなく筆頭に挙がるのは「プログラミング知識・スキル」ですね。そしてプログラミング知識スキルの中でも一番市場価値が高いのはやはり「機械学習(人工知能)」の分野です。

 

なぜ、今 「DX」がバズワードになっているかというと、きっかけはコロナでしたが、その本質はプログラミングは人間の行動や知識のほとんどを「自動化」できるからですね。しかも、多くの分野で”人間以上”に「早く」「正確に」そして「安く」自動化できるようにいずれなるからです(今は人間の方がコスパがいい分野がとても多いです)。

基本的にはDXは進めれば進めるほど、様々な事業の採算性も、社会の生産性も上がっていきます。企業の経営者や社会全体の視点でいうとDXはして悪いことはないわけですね。

(そのトレードオフとして、多くの個人の職は奪われますが)。

 

だから今、米国のトップVCであるa16zの創業者Marc Andreessenが「Software is eating the world.」と10年前に予言したように、世界はDX(刷新)されようとしているわけです。

よく紹介されている表ですが、下記のようにここ30年の間で全世界の資本はITを中心としたニューエコノミーに一挙に移動してしまいました。

 

 

日本企業の没落の根拠として良く紹介される表ですが、日本企業だけでなく世界全体でオールドエコノミーがニューエコノミーの後塵を排していることが分かると思います。

 

IT分野の技術革新の中で、特に重要なのが「人工知能分野」ですね。今までのソフトウェアは「人間の同じ業務を正確に早くやる」という、要は人間の物まね(フォロワー)だったわけです。しかし人工知能を使うと「人間よりも高精度の分析や意思決定が”自動で”できるようになる。」というのが最もすごいところです。

その事例は皆さん知っている通りですね。例えば画像認識でしたら、人間が見つけられないような機械の不具合や病気を発見ができる。将棋でしたら、人間が一生かけても処理できないし記憶できない大量のデータを瞬時に分析して、人間が一生たどり着くかない手を編み出すことができる

 

つまり人工知能により「機械が多くの分野で人間を超え始めた」という事ですね。

というわけで、この「人工知能(人間を超える知)」がプログラミングが生み出す最大の進歩(脅威)であり、これを使う人になる、または、これを使いこなす人になる、というのが、やはり今後最も市場価値が高いスキルの一つだと思います。

 

ベストは「プログラミングができるようになること」なんですけれども、過去の歴史を考えると、最悪そういった「プログラミングを使った企画を立てるようなる」というだけで、十分に他の方に比べて優位に立てると思います。

例えば類似事例でいうと、私たちはパワーポイントやスマートフォンを作ることはできませんが、パワーポイントやスマートフォンを使いこなせるだけで市場価値として決定的な差になっていますよね?そのようなイメージになると思います。

 

現時点でプログラミングができる人=エンジニアっていうのは、日本では多分50~100万人ぐらいですので、全社会人の0.5%~1.0%ぐらいしかいません。

これを「プログラミングはできないけど企画はできるよ(つまり使いこなせている人)」に条件を拡張しても、2%以下、つまり50人に1人ぐらいしかいないでしょう。

現時点ではプログラミングができなくてもプログラミングを使った企画を立てられるだけで、これだけ希少なわけです。そしてできない人が圧倒的多数です。

 

というわけで、「エンジニアじゃないと絶対に生き残れない」ってことはないです 。

そんな時代は来ないと思います。

ただ「エクセルができないまま仕事している●●さんって、傍目から見て結構辛いですよね」と言うの同じで、まあ、「プログラミングを知らない●●さんって、仕事の生産性が低いですよね」と傍目から見られる時代は、今後20年でいずれ必ずやって来るとは思います。

 

2.世界を舞台に仕事ができる

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次に今後市場価値が高い仕事として挙がる仕事は、「グローバルにビジネスができるかどうか」ということですね

この背景にあるのは、アメリカや中国、インド人ならまだ国外に打って出る必要がないんですけれども、日本人だから国外に出る必要があるということですね。

 

世界経済のコンセンサスとしては、基本的には日本という国は今後成長しない国だと判断されています。

なぜかと言うと、国の経済成長というのは、基本的には購買人口の増減とほぼ比例するからですね。これを人口ボーナスと言いますが、経済のメカニズムでいうと色々な人がどんどん購入されると「期待される」から、色々な企業の資本がその国に集い、そして実際に購入され、国の経済は成長するのです。

一方で日本は既に人口が緩やかに減少局面に入っています。ただ世界全体は人口が伸び続けているわけです。決定的なのは日本の経済成長が停滞している中で中国、アメリカ、BRICS、新興国など様々な国が今も今後もすごく成長しているわけですよね。そうなると至極当たり前ですが日本に資本が集中する優先順位が猛烈に下がるわけです。「同じお金を投下するんだったら、伸びる国にBETするよね、常識的に考えて」という発想になります。

下記は三菱照合研究所による2050年までの各国GDP予測です。日本は見事に横ばい成長を続けるという予測結果になっています。

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そうなると日本の企業の立場からすると、日本市場で戦っていても収益はたかがしれているわけで、そうなると日本の企業の成長戦略の道は2つしかなく、海外の市場に自ら打って出るか、シンガポールのように国が海外資本の優遇政策をドラスティックに色々して国内に海外資本誘致して外貨を獲得するというような国のフォーメーションを組んでもらうか、しかないわけです。そうしないと日本の企業の売上は伸びないわけです。

で、みなさんご存知の通り日本政府は海外資本の優遇などをあまり進めてはいません。だから日本の企業は前者:「海外の市場に自ら打って出る」しかないわけです。そして個人としても「海外の市場に自ら打って出る」ができると、当然ながら企業としては欲しいスキルだというわけです。

 

というわけで、企業としては「海外市場のシェアが高い企業」、個人としては「海外市場に立つ打席に立たせてくれる企業で働くこと」が、当然ながら「市場価値=市場の需要は高い」という結論になります。

 

3.経営に近い仕事である(例:経営イシューを扱う、株主に近い立場である)

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今後市場価値が高い仕事として3つ目に挙がるのは、経営の意思決定を本質的に握っている「株主」か、経営執行の意思決定権を持つ「経営者」に近い仕事ですね。

具体的に言うと新卒で選択できる職業としては「投資銀行」「戦略コンサル」、あとは事業投資をしているという観点で「総合商社」などは経営者に近い仕事だと思います。あとは次点で「経営企画」「マーケティング」「ファイナンス」なども経営者に近い仕事ですね。当然ながら「起業経験」はもちろんですね。中途採用市場も含めると、「プライベートエクイティ・ファンド」「プロ経営者」などはまさに経営や株主そのものの仕事なので、非常に市場価値が高いかなと思います。

これらの仕事は今までも市場価値が非常に高かったんですけども、今後もあまり市場価値が低くならないよ、というニュアンスが近いかなと思います。

 

なぜ「経営に近い仕事」が市場価値が高いかと言うと、結局今の世の中にある会社は、その会社の株式のマジョリティを持っている人、つまり「大株主」が支配するというルールに会社法で定められているわけですね。そして会社の社長さんというのは、厳密には大株主の「次」に偉い人です。

 

世間から見ると社長さんが会社で一番偉いように見えますが、そうではないわけですね。次点です。例えば、最近東芝で起きた「車谷社長の辞任事件」や「永山取締役会議長の再任否決事件」は、社長と株主の力関係を分かりやすく示しています。株の支配比率によって、社長は自由に解任される訳です。

しかし、なぜ大株主と同じぐらい社長が偉く、重要視されるかというと、株主という立場の人はお金を持っていても結局「事業戦略」も「経営」もできない、つまり自分では会社の業績を伸ばすことはできない=自分の力では儲かることができないからです。

だから厳密にいうと大株主は、事業や経営に精通している「経営者」に頭を下げて、社長として迎え入れて、業績を伸ばしてもらっている。「株主」と「経営者」にはそういう共犯関係があるのが実態なのです。

 

本題に入ります。まとめると会社は、資本主義社会の構造上、この「株主」と「経営者」が企業のコントロールを握り、いろんな人の生殺与奪を握っているわけなのです。「株主」と「経営者」が社員全員の給料決めてますし、「株主」と「経営者」が企業の戦略を決めています。つまりあなたの支配者です。あなたの市場価値は、結局この2人が買っているわけです。逆に言えば、この「株主」と「経営者」になれる仕事=「株主」と「経営者」に近い仕事は市場価値が当然ながら逆に高いわけです。

 

「株主」と「経営者」に近い仕事というのは先ほど申し上げた、「投資銀行」「戦略コンサル」「総合商社」。次点で「経営企画」「マーケティング」「ファイナンス」などです。

 

ちなみにこれが大事なことなのですが、逆に言えば資本主義社会ではこれらの仕事に就かないと、「株主」や「経営者」には中々なりにくい構造があります。

 

なぜかというと、「株主」や「経営者」の仕事は生殺与奪を握ることなのですが、この仕事は残念ながら一般社員の仕事とかなり違うのです。だから同じ会社にずっといても「経営者」にはごく少数しかなれません。一方で、「投資銀行」「戦略コンサル」「総合商社」出身であるほうが、仕事の内容として経営の一部に近い仕事をしているので、中途入社であるにも関わらず一般社員よりも「経営者」に比較的なりやすいのです。

 

戦略コンサルの場合は、例えば「全社戦略」「どの事業に注力/非注力するか」「P/Lを最大化するには何の一手が最適か?」などの経営イシューを経営者に依頼されて一緒に解決する仕事なので、経営者に近い仕事になります。

投資銀行の場合は、例えば「M&A戦略」や「大型の資金調達」など、経営にとって重要な意思決定を経営者に依頼されて一緒に実行する仕事なので、これも経営者に近い仕事になります。特に未上場のベンチャー企業の場合は、成功するためには深いJカーブを掘る必要があるためVCからのファイナンスがほぼ不可欠になります。だから未上場のベンチャー企業は、資金調達のプロである投資銀行出身者を経営陣の一人として求めやすくなります。だから投資銀行出身者でCFOになる人が多いのです。

最後に総合商社の場合は、これは事業投資の仕事がまさに「株主」「経営者」の仕事が半分半分になります(トレーディングの仕事は少し違います)。現在の総合商社は自分たちがターゲットとする事業ドメインの多くの企業群を買収~マイノリティ投資をし、これらの企業群をシナジーを利かせつつ経営をすることでP/Lを得たりキャピタルゲインを得たりするという高度なビジネスを展開しています。まさにこれは「株主」「経営者」に近い仕事です(というより半分ぐらいは「株主」「経営者」そのものの仕事)。

 

これが有名企業の経営陣に戦略コンサル出身者や投資銀行出身者、総合商社出身者が多い理由です。

 

次点で近いのは、「経営企画」「マーケティング」「ファイナンス」の仕事になります。ただ上記の3つよりは経営者へのキャリアパスに少し遠い仕事になるでしょう。

 

あとは例外的には「経営陣の一角に早くなりやすい」キャリアパスを描ける可能性があるのはスタートアップです。ただし、ただスタートアップに入社しても経営陣には近づけません。下記の3つの条件のどれかを満たすスタートアップでないと、「経営に近い仕事ができる」ことは無いかなと思います。

  1. 早く出世して、経営陣になれる
  2. ポジション別採用で、「経営企画」や「マーケティング」や「ファイナンス」など経営に近いロールにつくことが確約できる
  3. 早く新規事業の立ち上げにアサインされて、起業しやすい経験値が積める

スタートアップにいると若いうちから矢面に立たされるので、一般社員でもどんなロールに就いても成長実感を得やすいです。しかし「経営に近づけるか」は別問題です。スタートアップ選びは注意しましょう。

スタートアップへの就職・転職を考えている方は下記の記事も参考にされるとよいと思います。

keyplayers.jp

 

最後に「株主」へのキャリアパスについて補足すると、「株主」になるには「ファンドに行く」か「起業家になる(自ら会社を興す)」をしないとほぼ無理です。

ですので、この2つのゃリアパスに進んでください。なおファンドに転職しやすいのは、「投資銀行」が筆頭、次いで「戦略コンサル」「FAS」「総合商社」「経営企画」の順です。これ以外の仕事からファンドには行くのは基本的には難しいです。

 

4.実力主義で昇進できる(年功序列型・全員昇進型の人事制度ではない)

olympic 100m4つ目ですが、今後市場価値を高い人材であるうえで、「あなたが入社した後に実力主義で昇進できる環境」というのは非常に重要だと認識するとよいと思います。

 

中の人がそうお伝えする理由は、2つ理由があります。

 

まず1つ目は、当然ながら、早く重要なポジションを任される、早く色々な経験を積む、というのは「実力主義な環境」がないと絶対に実現しないからです。

例えば30歳で部長や役員を経験したAさんと50歳で部長や役員を経験したBさんとでは、Aさんの方が実力がある・市場価値が高そうだ、と誰もが思うと思います。しかし、このAさんのようなキャリアは、年功序列式に昇進する会社にいては絶対に実現できません。不公平になるからです。実力に応じた「抜擢」を許す会社でないと実現できないのです。

 

そして2つ目ですが、これが実は一番重要なことですが、年功序列型の企業というのは努力しない人が多い企業(環境)になる宿命があります。そして努力しない人が多い企業(環境)にずっといると、あなたの成長意欲が削がれてしまうのです。これがあなたの市場価値を致命的に奪うことになります。

だから、もし市場価値を優先するならば非実力主義の会社に入社するのは絶対に止めた方がいいでしょう(市場価値などどうでもよく、目先の安定が欲しいのならこのような会社はオススメします)。

 

ここからは上記の背景にある、「報酬と環境が人間に及ぼすメカニズム」について補足説明します。

 

人間は基本的に環境に影響され、「環境に同化する動物」です。

かつ、人間は基本的には「自分に与えられる報酬に対して最適化して動いていく動物」です。

 

企業における「報酬」というのは、「役職」や「年収」を指します。

実力主義の会社というのは、成果と報酬がほぼ正比例している組織です。

一方で年功序列型の会社(≒非実力主義の会社)というのは、成果と報酬が比例しない組織だということです。

 

この成果と報酬が比例しないというのがミソなんですね。つまり、こういう組織にいると、頑張っても頑張らなくても報酬があまり変わるわけではないので、普通の人だったら「成果を出さなくてもいいかな」と思ってしまうインセンティブが働くという事です。こういう年功序列型の人事制度が敷かれると、段々とそういう頑張らない人が多数派の組織になります。

 

するとどうでしょう。こうなると、新入社員にとって「二重の意味」で頑張らないインセンティブが働く悪質な組織になるのです。

 

あなたが成果を出そうと頑張っても、会社が報酬を中々与えてくれない。

さらに周りの環境(=先輩や上司や同僚)も、「成果を出すのはほどほどでいいんじゃない?」と毎日あなたに働きかけてくるのです。

 

するとほぼ全ての新入社員が、無意識に環境に最適化された行動をとるようになってしまうんですね。つまり成果を出そうとしなくなる。成果というより、社内政治に対してどうしても自分の努力が最適化するようになってしまうってことですね。

それが長年続くと、成果に対し自分の努力を最適化しないことが「行動習慣」になってしまいます。そして、そこから抜けなくなってしまうのです。

 

このような人間の行動習慣を裏付ける歴史があります。20世紀にあった共産主義国家 v.s. 資本主義国家の社会実験です。

 

なぜ共産主義国家の方が一見平等で理想的な仕組みなのに負け、資本主義国家が勝ったかというと、その理由は2つあります。

  1. 共産主義国家の場合だと、いくら成果を出そうと頑張っても自身に対しての「報酬」があまり変わらないから、段々と成果を出そうとみんな頑張らなくなる
  2. 一方で、不正や社内政治を頑張ると、比較的容易に自分の「報酬」が変わるので、成果よりも不正や社内政治の方が盛んになる。

だから頑張ると報われるかもしれない資本主義の方が結果的に国家全体や社会全体の成長は促される一方で、まっとうに頑張る事より不正や社内政治を頑張った方が報われる共産主義の方が成長が鈍化したのです。だから負けたのです。

 

以上のような過去の歴史を考えると、国家も企業も、基本的には実力と報酬が比例するような組織設計にしないとダメだということですね。実力以外のところで役職だったりとか報酬が決まってしまうような国家や企業にいると、結果的に圧倒的に負ける組織体、圧倒的に負ける個人、になってしまうということです

 

さて本題です。こういう「年功序列型=非実力型報酬環境」に長年身を置いた個人が、転職市場に追い出されると何が起きるかというと、【2つの深刻な問題】が発生します。

  1. 組織内で成果を出そうとずっと頑張ってこなかったし、成長意欲も削がれてしまっているので、中途採用選考で全く評価されない。どんどん落ちてしまう。
  2. 仮に入社でいても、「成果に向き合わない行動習慣」が身についてしまっているので、新しい企業でも成果に対して仕事ができない。社内の人に対して仕事をしてしまう。

よく言われれる「大企業に染まってしまった人材」というやつです。成果に向き合わない行動習慣が身についてしまうということは、「自分の頭で考えて、行動することをしてこなかった」ということですね。こういう人材は転職市場で全く評価されません。

そして、成長意欲も削がれているので、新しい環境に移っても、「自ら成果を出そう」とか「自ら努力をして新しい環境に対して学習してキャッチアップしよう」というスタンスも中々湧いてこないので、結局活躍できないということですね。

 

特に今後の世の中は、イギリスの未来予測と機械学習の専門家「マイケル・オズボーン教授」が「The Future Skills(未来のスキル)」で発表したように、2030年の未来では「戦略的学習能力」が最も求められるようになります。

「年功序列型=非実力型報酬環境」に長年身を置き、成長意欲が削がれてしまった人材に、この能力は果たしてどれぐらい備わっているでしょうか?最も乏しい人材になってしまうことでしょう。

というわけで、「年功序列型の企業に入ると、高確率で市場価値が低い人材に仕上がってしまいやすい」ので、非常に危険かなと中の人としては思います 

 

5.ジョブ型雇用で仕事ができる(古い日系企業のようなジョブローテーション型雇用ではない)

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最後の5つ目です。5つ目の条件ですが、今後市場価値を高い人材であるうえで、「ジョブローテーション型組織は避けるべきだ」とお伝えしたいと思います。

 

基本的に今の企業というのは、一人の人間で全ての専門性を持つというのは無理です。当然ながら限界を迎えています。様々な専門性がある人間がたくさん集まり構成されることで、企業活動は成り立ちます。

つまり「全てのことができる」ということの重要性がそんなに高まってないってことですね。

ですから昔の日系企業のように、企業のあらゆる仕事をローテーション型で経験していく「ゼネラリスト人材」というのは、その企業に一生居続けるんであれば、すべてを知っているので正しい意思決定がしやすいということで価値はありました。

しかし、そうではない場合、つまり「転職」する場合においてはあまり価値がないということになります。その企業でしか価値がない人材だということです。

 

例えばこういうことです。ここに37歳まで日系大手企業にずっと勤めていて、その間色々な部署を3年ごとにジョブローテーションしてきた課長職の人材がいるとします。この人が転職市場に出るとどのように評価されるでしょうか?

転職市場、すなわち他社から見ると、15年間経験してきた全ての部署の経験を漏らさず評価することはできません。ネラリストの経験ではなくて、自社の事業内容・仕事内容と合致しそうな特定の部署に3年いた経験のみで判断していく形になります。つまり、最悪のケースだと入社3年目の社員と同じぐらいの市場価値(知識・経験)だと見なされる危険性すらあるということですね。

だから「今後市場価値がある仕事」という意味では、特定の専門家人材、つまりジョブ型で仕事をした方が生き残りやすいかなと思います。

 

もっとも、冒頭に申し上げた通り、「一つの会社で定年まで働きたい」と思っている方にとっては、ジョブローテーション型の企業でも全く問題ありません。ゼネラリストとして採用されるというのもありかとは思います。

ただその場合、その企業が潰れたら強制的に転職市場に放り出されて終わりです。だからそのような方は「生き残る企業選び」をとても慎重に行ってください。






以上、今回は「中の人が、この5つの条件が市場価値が高いと思う理由」について、解説しました。振り返ると10,000字Overの長文になってしまいました。ここまでお読みいただき本当にありがとうございます^^;

 

反響次第で、今回の記事の関連記事を今後書きたいと思っていますので、もし「役に立った」「面白かった」と思った方は、是非中の人のtwitterまでコメントください\^_^/